2021年12月から2022年3月にかけて、日本を代表する食品企業8社の有志による食の共創コミュニティ「Food Up Island(フード・アップ・アイランド)」がサステナブルな食産業や、Z世代がファンになる食品企業に関するアイデア募集を行いました。
この度、「優秀アイデア」として、以下の4アイデアが選定されましたのでここにご報告いたします。
アイデア募集に際し、全国からたくさんのご応募を頂きましたこと、改めて御礼申し上げます。
~選定された「Food Up Island」よりコメント~
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イノベーション・アイデアにご応募いただいたみなさま、誠にありがとうございました。
私たちFoodUpIslandのメンバーは、日々、おいしい笑顔と持続可能な社会の創出に向けて奮闘しております。ただ、安心安全美味しいを届ける活動に集中している中で、これまでの常識にとらわれたり、実現可能な視点から考えることもあります。この度、生活者のみなさまからたくさんのアイデアをいただき、いろんな角度から様々な視点をいただきました。どのアイデアもこれからの食産業および、持続可能な社会の実現にむけてとても大事なヒントばかりでした。
本当にありがとうございました。この場をお借りして改めて御礼申し上げます。
どれも素晴らしいアイデアばかりだったのですが、今回はFood Up Islandのメンバーと
・ゼロエミッションの実現に向かっているか
・FoodUpIslandが描く「食の未来」に近いもの
・応援したいもの
といった点で議論をし、僭越ながら優秀賞を決めさせていただきました。
優秀賞のみなさま、素晴らしいアイデアをありがとうございます。
今回、賞は決めさせていただきましたが、私たちは多くのみなさまにご応募していただいたということがとてもうれしいです。是非一緒に未来を創る仲間として、これからも私たちとご一緒していけたらうれしく思います。何卒よろしくお願いいたします。
本当にありがとうございました。
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「優秀アイデア」に選ばれた提案者によるプレゼンテーションイベントをオンラインにて行います。ご参加をお待ちしております。
※本イベントは終了しました※
<優秀アイデアに選ばれた提案者によるプレゼンテーション 公開オンライン>
・日時:7月13日(水)14時00分~14時50分
・実施方法:オンライン(Zoom)
・参加費:無料
◆お申込みはこちら
優秀アイデア発表
※優秀アイデアは応募受付順で表示しています。
ジビエチャーシュー・メンマ缶詰(獣害も竹害もまとめて解決!)
竹部(バンブ) ・松澤圭子様
みなさんは「放置竹林問題」という言葉をご存知でしょうか?人が管理しなくなった竹林がどんどん広がって雑木林を浸食し、土砂崩れの原因をなったり、イノシシなど野生動物の住処になり、人里まで降りてきて畑を荒らしたり筍も食べられてしまっているのです。
(静岡県のR1年度の農作物被害額は約2億9500万円)しかし、よくしたもので伸びてしまった筍はイノシシも食べません。この1メートル位に伸びた幼竹を使って作るのが「メンマ」で今、「純国産メンマプロジェクト」と銘打って全国的な広がりを見せています。
獣害は猟師の高齢化、処理施設が無く解体しても販売できずに仲間で分けたり、解体せずに埋設することが負担になっています。「ジビエチャーシュー・メンマ」の缶詰めなら、この獣害と竹害に貢献することが出来ます。
缶詰めならどこでも販売できて、インスタント麺と一緒に買って備蓄しておくこともできて手軽に持ち運んで食べることができます。筍を食べたイノシシとメンマはきっと相性も良いと思うのです。
竹林が健康になればCO2削減にも繋がります。竹の可能性を知ってください。
ローカル食文化の振興とフードロス削減によるサステナビリティ
株式会社オートスピリット様
1. キッチンカーを活用し、地域の味を全国へ広める
地域に欠かせない「地域一番店」が減少しており、日本固有の味の多様性を楽しめる機会が減少しつつある。消費者も、流行や口コミに自分の舌を任せてしまっている傾向にあると思われる。そこで、全国の「地元の味」を集めたキッチンカーマルシェを企画し、全国へ巡業することにより、味の多様性を楽しめる機会を全国で提供する。キッチンカーはソーラーパネルからの給電で環境負荷を抑え、AIカメラによるリアルな消費者データを取得、アプリでの食文化発信、生産現場体験といったイベント開催もサービスに含める。「味の多様性」を知り、楽しめる人が増えることで日本独自の食文化は保持されていくと考える。
2. 規格外野菜・果物を活用し、フードロスを削減する
大手食品メーカーが規格外品を集め、ジュースや冷凍食品、レトルト食品に加工し様々な分野で活用する。平常時は工場スタッフや地域住民へ配布したり販売したりといった流通となるが、災害時は自治体を通して住民へ供給される協定を結んでおく。また、子ども食堂や低所得シングルマザー支援にも充てることができる。メーカーとしては、生産者・地域住民・自治体・従業員・貧困層と幅広い分野においてコミュニケーションを促進でき、関係構築を図ることができる。フードロスを削減しながら、上記のメリットを享受することができると思われる。
月1環境配慮給食の提案
井上友香様
地球環境に興味関心が深い子供たちへ、より日常の「食」の1つである給食メニューを環境配慮食にすることで、学び実感しながらサステナブルな食というものを知るキッカケ作りをする。
実際には、材料の提供だけでなく、メニューやレシピの提供、置き換えによって減ったCO2の量を計算して風船何個分などでリアルに表示して可視化したような資料(教材)提供や出前授業的なことも含めて「サステナブルな食」の学びをパッケージ化までしていけたら理想。
豆乳やソイミートなどの植物代替え素材だけでなく、肉じゃがを牛肉ではなく鶏肉で、カレーを豚ではなくフィッシュカレーに、輸入食材を使いがちな材料を地元素材に・・・など、その意外な美味しさも発見しながら、環境に良いことが我慢ではなく、ワクワクする新たな美味しい気づきになることを期待。「サステナブルな食」をみんなを巻き込んで共創する提案です。
FUIエシカルアルバイト
小堀菜花様
Food Up Island(FUI)が提供するエシカル・サステナブルな食品を、Z世代が売り子となり、お客さんに説明することで、自分や周りのサステナブルな食の意識・先入観に気付き、改善していくシステムです。ラーニングピラミッドの様に、人に教えることは、物事に対する自分の新しい気づきや理解が生まれると思います。現に私も売り子を経験したとき、『じゃがポックル』の箱に「ウポポイ」マークがあることに気付き、改めて企業の社会貢献や商品の流れ(北海道に製造所があるという知識があったが、マークによって製造所の存在のイメージがより具体化された気がしました)を学ぶことができました。環境問題に興味のある、もしくは行動したいと考えるZ世代がファンになるためには、食品という最終産物ではなく、食品産業全体を知ることが大切です。その知るきっかけ作りを、Z世代アルバイトという形で実現できればと考えます。
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