2023年7月22日(土)に、DO!NUTS TOKYOとOATアグリオ株式会社が、都会でも気軽に農作物を自分で育てられる方法や楽しみ方を共有しながら、サステナブルな食生活について考えるイベントを共同開催しました。
当日は2部構成で、第1部では親子での参加者を中心にした自然観察会を実施しました。第2部では協賛のゼットン株式会社が提供するサステナブルな食材にこだわったBBQとともに、OATアグリオの食糧増産技術への取り組みや植物を育てる楽しみ、ゼットンが支援している、ビルの屋上など都市空間を利用して農業に取り組む「アーバン・ファーミング」などについて紹介するトークセッションとネイチャークイズ大会を開催しました。
≪第1部 自然観察会≫
公益財団法人日本野鳥の会参与の安西英明氏を講師にお迎えして、自然観察会を開催しました。
安西氏は手作りのスズメの帽子をかぶりながら、都会でもよく見かけるスズメやカラスなど身近な野鳥の鳴き声の特徴、成長と子供の見分け方、落ちている羽根から野鳥の種類を見分ける方法などをレクチャーしました。また、バッタやカマキリなどを捕獲して拡大鏡を用いながら昆虫の生態について説明したり、音叉の振動を利用して、蜘蛛が餌の昆虫と勘違いして捕まえに来る様子を観察しながら、食物連鎖の重要性や、人間を含む種の保存において生物多様性が重要であることなどをわかりやすくユーモラスに解説しました。


≪第2部 BBQ&トークセッション≫
第2部のトークセッションでは、DO!NUTS TOKYO事務局長でもあるValue Frontier代表取締役 梅原氏がDO!NUTS TOKYOの活動と、今年度から就任した第3期若者アンバサダーを紹介しました。
続いて、OATアグリオ取締役 上席執行役員の北口氏が、インドや東南アジアでの人口増加という社会課題を目の当たりにした経験から、同社の「アグリテクノロジー」が「食糧増産」と「人や環境に優しい持続可能な農業」に貢献するという使命を改めて感じた経験を紹介しました。また、OATアグリオグループはすべての人々に「育てる喜び」「観る感動」「食べる幸せ」を届けることを目的として、一般家庭でも手軽に栽培にチャレンジできる水耕栽培セットなどの普及にも力を入れていることを紹介しました。
そして、同社の水耕栽培セットで実際に約1か月間栽培に挑戦した若者アンバサダー達が率直な感想や体験談を語りました。第2期アンバサダーの市橋さんは、「観葉植物等を育てるのは得意なタイプではない」にもかかわらず、水耕栽培セットで立派なバジルを栽培しました。「組み立ては簡単で、最初に準備した養液をたまに補給するだけで、自動でLEDライトが点灯し、とても簡単に栽培ができました」との感想を発表しました。同期のアンバサダーで、農学部に所属し、農学を起点として気候変動に対するさまざまなアクションを実施している鳥井さんは、「一人ひとりが小さなステップからでも良いので食糧生産に関わることが重要」と訴えました。
トークセッションの最後は、株式会社ゼットン代表取締役の鈴木氏が、企業理念である「店づくりは、人づくり。店づくりは、街づくり。」を基に実践した事業の例として、今回のイベント会場でもある葛西臨海公園の公園再生事業について語りました。
公園内にあるカフェのリノベーション事業の公募をきっかけに、公園をカフェの出店場所ととらえるのではなく、街全体のブランド価値向上を目的とした、公園全体のプロデュース事業を提案しました。従来から公園を利用してきた人々の満足度向上と、今まで公園に来なかった新たな来園者を集める仕掛けとして、カフェにキッズルームや授乳室を設置したり、ウェディング事業を新たに立ち上げるなど、さまざまな仕掛けを紹介しました。
また、建物の屋上など、都市特有のスペースを利用して農業に取り組むアーバンファーミングについて、以前にDO!NUTS TOKYOとの交流会でアンバサダーから提案されたアイデアを基に、本社屋上で作物を育てた経験について紹介しながら、都会で食料を生産し、実際に調理、試食を通じて、持続可能な食に関するアクションを実践し、参加者を広げていく重要性について説明しました。
トークセッション終了後に、若者アンバサダーが「自然」「食」「農業」をテーマに、ネイチャークイズを開催しました。「ラムサール条約」や水産物の認証ラベルなど、専門的な内容を子供でもわかりやすく学べるよう工夫した内容で、参加した子供にはOATアグリオから水耕栽培セットや液肥セットが贈られ、また共催の株式会社SEE THE SUNからお菓子も配布されました。
なお、BBQのメニューは、市場に流通できない規格外野菜(間引き野菜)やソイチキン(大豆加工肉)、エコファームの豚肉を使用するなど環境に配慮された素材が中心でした。ソイチキンのサラダや、プラントベースパティを使って自分たちで作るハンバーガーは、本物の肉に匹敵するおいしさで、初めてビーガン対応の食材を味わった参加者の多くは、そのおいしさに驚いていました。

こだわり素材のBBQ

トークセッション

クイズ大会授賞式
参加者からは「ファミリーで楽しく学べるイベントでした。また機会がありましたら、ぜひ参加したいです」、「これまで知らなかった考え方を知ることができ、子供だけでなく私自身も今後の道を決める良いきっかけ作りとなるパワーをもらえるイベントでした」などのうれしい感想が寄せられました。今後もさまざまな企画を通して、DO!NUTS TOKYOの目標である、ゼロエミッションに向けた行動変容を促していく働きかけをしていきたいと考えています。
