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DO!NUTS TOKYO事務局
2021年12月2日 11:00

COP26に向けて。LEGOが作った「より良い世界の組み立て説明書」

2021年11月11日
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この記事に対するコメント

若者アンバサダー 阪田 留菜
『COP26という大人たちが話し合う場で、子どもたちの声は届きにくかったと思います。大人たちは子どもたちの率直な声を聞いて行動する責任があると思いました。』


10月31日から11月12日まで、英・グラスゴーで国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が開催されている。これに関連して、国内でも若者を中心とするデモが実施される(外部リンク)など、さまざまな環境問題への取り組みが行われている。なかでも、LEGOグループの取り組みはとてもユニークだ。

COP26に合わせて作られた、説明書のような一つのガイド。これはLEGOの組み立て方を説明したものではない。ここには、「より良い世界を作るための手順」が掲載されているのだ。イラストと簡潔な文章で書かれた「説明」には、汚染や廃棄物の削減など個人でできることから、政策担当者への要求や法律の変更まで、さまざまな内容が記されている。

この説明書、「10 requests」は、世界中の8歳から18歳までの6,000人以上の子どもたちに行った調査と、LEGOが実施したワークショップに基づいて作られている。彼らの調査によると、子どもたちの約半数が週に1回、10人に1人が毎日、環境について考えていると回答。また、「地球温暖化」は対象となった子どもたちの関心事の第1位だったそうだ。

Image via LEGO

レゴ社の環境担当副社長であるティム・ブルックス氏は、この取り組みは気候変動に関する会議で「子どもたちの声を届ける」ことを目的としていると述べている。

現在、多くの企業が地球環境への影響に配慮したビジネスに転換することを迫られている。LEGOは、2032年までに二酸化炭素の絶対量を37%削減することを宣言している企業だ。同社は、年間数十億個のプラスチックブロックを生産しているが、廃棄されたボトルから採取したリサイクルプラスチックを使用した初の4×2ブロックを発表したり、おもちゃからジェンダー・バイアスを取り除く(外部リンク)ことを宣言していたりと、積極的に環境・社会的な変革に取り組む。

このLEGOの「世界の作り方」を書いた説明書を読むと、個人や企業の活動も重要だが、国家レベルでの教育や経済分野における政策が必要なのだと、改めて感じる。次の世界を担う子供達のためにも、国や世代を超えてこの大きな問題に取り組まなければいけないだろう。

この説明書はLEGOのサイトから日本語版(外部リンク)もダウンロードが可能だ。興味のある人はぜひ見てみてほしい。

【参照サイト】LEGO Sustainability – Building instructions for a better world(外部リンク)
【参照サイト】Lego issues Cop26 handbook by children on how to tackle climate crisis(外部リンク)

Edited by Megumi


ABOUT THE AUTHOR  清水香央理

現代美術作家。学生時代に台湾に一年ほど交換留学し、アジアのアート/音楽シーンの面白さに目覚める。卒業後は東京を拠点に制作活動を行なう。作品のテーマはその土地の記憶を拾い上げ、保存していくこと。最近は哲学と社会学、都市論を勉強中。アートラボhalflaw主催。
HP:https://shimidu.wixsite.com/shimidart(外部リンク)


※本記事は、社会をもっとよくする世界のアイデアマガジン『IDEAS FOR GOOD(外部リンク)から許可を得て転載しています。

【転載元】COP26に向けて。LEGOが作った「より良い世界の組み立て説明書」(2021年11月11日)