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DO!NUTS TOKYO事務局
2021年10月7日 14:00

家庭の食品ごみが農家の堆肥に。都市で始める、小さな食の循環「CSA」

2021年4月6日
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この記事に対するコメント

若者アンバサダー 多田野 豪
『消費者が農家から1年分の野菜を事前に購入する「CSA」は、消費者が安心安全な食材を受け取りながら、年間を通して季節や市場に左右される生産者を支援できるというとても素敵な仕組みだと知りました。記事で紹介されているCSAは、家庭で出る生ごみからできた堆肥を農家利用して野菜を育てることで、消費者と農家の間で直接的な資源循環を目指すそうです。』


都市に暮らす人が環境のための取り組みをしたい、と思ったときにできることの一つは、家庭から出るごみを減らすことだ。近年は、専用の機械や段ボールなどを使えば、野菜の皮や卵の殻などの生ごみは自宅でコンポスト(堆肥化)(外部リンク)することもできる。しかし、家庭菜園などをしていないので、できた堆肥の使いどころがなく、いまいち手を出しづらいと思ったことはないだろうか。

食品ごみから堆肥、そして野菜へ。個人でも食の循環に取り組めるユニークな仕組みを作ったのが、100%天然成分で生分解性のサトウキビストロー(外部リンク)の販売を行う株式会社4Natureと、東京・表参道で開催される「青山ファーマーズマーケット」の企画・運営を行うファーマーズマーケット株式会社だ。二社は、同マーケットに出店する農国ふくわらいと連携し、家庭でできた堆肥から野菜への循環を実現する「CSA(Community Supported Agriculture、地域支援型農業)」(外部リンク)を2021年5月に開始する。

CSAとは、消費者が農家の「会員」となって1年分の野菜を事前に購入するシステムのこと。農家にとっては、季節の収穫量や市場に左右されることなく独自の販路で営農していくことができ、会員にとっては、農家と実際にコミュニケーションを取りながら栽培を見届け、安心安全な野菜を受け取ることができるというメリットがある。

今回始まるCSAで注目したいのは、会員は毎週末に開催される青山ファーマーズマーケットにて、年間で購入した野菜を定期的に受け取るだけでなく、家庭で出る生ごみを分解・堆肥化させたものを、農家に受け渡すことができる点だ。家庭では使いきれない堆肥が有効活用され、それがまた自分の食べる野菜となって還ってくるのである。農家としても、自ら二次処理をして追熟させた良質な堆肥を畑に施用していくことで、農薬や化学肥料に頼らない栽培、もしくは減らしていく栽培をすることができる。

現在4Natureとファーマーズマーケットは、5月に始まる本格的な運用に向けて、農園ふくわらいとのテスト運用を行っており、CSA会員を募集している(※ 4月17日23:59まで。応募多数の場合は抽選)。

農家へのサポートや、マーケットでの対面販売などを通して「顔の見える生産者」とコミュニケーションをとり、都市と地方という二極化しつつある消費と生産のあり方に新しい価値を提供する今回の取り組み。都市で小さな循環を始めてみたい、すべての人へのグッドニュースだ。

【参照サイト・応募方法】株式会社4Natureとファーマーズマーケット株式会社は持続可能な循環社会の実現に向け連携し、青山ファーマーズマーケットを基点としたCSAの運用と会員募集を開始(外部リンク)


ABOUT THE AUTHOR  Kimika

IDEAS FOR GOOD 編集長。南デンマークに高校留学したのち、フォルケホイスコーレ留学やコペンハーゲンのNGO勤務を経験する。4か国語をあやつり、まだ知らない場所への冒険を愛するクリエイター。関心テーマは民主主義や教育、森林と農業。


※本記事は、社会をもっとよくする世界のアイデアマガジン『IDEAS FOR GOOD(外部リンク)から許可を得て転載しています。

【転載元】家庭の食品ごみが農家の堆肥に。都市で始める、小さな食の循環「CSA」(2021年4月6日)