2022年10月22日開催のちよだゼロカーボンフォーラムにて、若者アンバサダーが「都市と地方連携によるゼロエミッションのアイデア提案」に関するアイデアを発表しました。発表に先立って、千代田区大丸有(大手町・丸の内・有楽町)エリアと、福島県の浪江町を視察しましたので、レポートを2回に分けてお届けします。
大丸有エリアでは大都市の先進的な取り組みを学び、浪江町では震災後の人口減少などの課題、水素の実証実験をはじめとする再生可能エネルギー施設を視察し、再エネによる福島の復興・活性化と都市のゼロカーボン推進という二兎を追うアイディアについて考えました。
今回は大丸有エリアにある丸の内二重橋ビル視察を通して学んだ、ゼロカーボンの取り組みについて共有したいと思います。
■大丸有エリア視察レポート
1.ポイント
- 街の下に、暮らしを支えるエネルギー施設がある。
- 生み出したエネルギーを無駄にしない。
- 万が一の災害時も経済を止めない。
- 街は時代の移り変わりと共に築かれる。
2.サマリー
大丸有エリアの視察を通して、三菱地所様の20年後の街を目指したゼロカーボンの取り組みを知ることができました。今回は「エネルギー」と「街づくり」の2つについてお話しします。
【エネルギー(地域冷暖房)】
丸の内熱供給株式会社様にご案内していただき、エネルギー供給をしているプラントを見学しました。365日1日中、地下で稼働して蒸気、冷水、温水を生み出し、各ビルに届けます。そして、冷暖房や給湯などに使用されます。
このシステムには、3つのメリットがあります。
①環境
設備が集中しているため、効率的に稼働して電気や都市ガスの使用を抑えることができます。そして再生可能エネルギーを取り入れることで、多くの場所での省エネルギーを可能にします。
②経済
各建物において機械室が不要になり、スペースを有効活用できます。また、システム維持のための経費も必要ありません。
③安全
耐震強度が高いため、災害が発生しても安定した供給ができます。各自の建物に熱源設備を持たないため、二次災害のリスクも低下します。
エネルギーを届ける配管が張り巡らされている銅道『SUPER TUBE』も歩かせていただきました。室温40度-50度前後の中、約250m続くトンネルは、街や人々を支えるために欠かせないものです。災害時でも、安定したエネルギー供給により経済が止まることはありません。さらには、帰宅困難者受入スペースにも届くように配管されています。


【街づくり】
1つの建物として「点」ではなく、複数の建物として「面」での開発をしています。バラバラに取り組んでいくのではなく、共に考えながら歩むのです。
美術館や温泉、朝大学などの街に深みを与えるイベントを開催し、人々に開かれた街づくりを行ったり、移り変わる需要の変化に伴った居心地のよい街を築いたりしています。例えば、「オフィスだから提供できる空間」です。近年、感染症拡大の影響で人々の働き方が変化し、多くの人がリモートで働くようになり、実際にオフィスに来て仕事をすることが少なくなりました。そこにオフィスの価値を見出し、ディスカッションが進み、「そこにいたい」と思うような屋外空間を生み出しています。

3.感想
エネルギー生産や供給が行われるプラントを初めて見学しました。東京のビル群の下で、経済を根本から支えていることに驚きながら、『SUPER TUBE』のある約250mを必死に歩きました。
効率的なシステム運転による無駄のないエネルギー活用を行うことで、ゼロカーボンに向けた取り組みで未来を築いていることや緊急時の帰宅困難者受入スペースにエネルギー供給ができるように組み立てられていることから、街と一体となり行われる街づくりが人々の暮らしに必要不可欠だと学びました。
「街づくりは20年後を見据えて行うものである」と伺い、「今」の行動が積み重なることで街が生きていくと心に残りました。
4.同世代に伝えたい点
- あなたが使用しているエネルギーはどこから来たものですか?
- エネルギーの使い方だけでなく、生み出し方にもフォーカス!
- 街は私たちを映している
- 暮らしを支えているものは、目に見えるものだけでない

【レポート執筆】
Saraさん/ 第2期若者アンバサダー
教育からのアプローチを通して社会変容へ繋げ、未来の⼦どもたちにとって地球が安⼼できる場所を⽬指す聖心女子大学生。