「学びシリーズ」第18回レクチャーでご講和頂いた山川勇一郎氏が代表を務める株式会社さがみこファームの体験農園「さがみこベリーガーデン」。
遊休農地を活用して、太陽の光でエネルギーと農作物を同時に育てる「ソーラーシェアリング」のお話を直接うかがうため、農園のある神奈川県・相模原を訪れました。
オンライン上でレクチャーやミーティングをする機会が多い若者アンバサダーにとって交流会も兼ねた視察となり、自然を満喫しながらの新たな学びの時間となりました。
■さがみこベリーガーデン視察&交流会レポート
1.ポイント
- ソーラーシェアリングで農地空間を立体的に活用する
- ソーラーシェアリングを広める肝は農業で収入を得られる仕組みをつくること
- 農業に関する規制は改正が必要な項目がたくさんある
- 体験を通して記憶に残ることで将来エネルギーに関心をもってもらう
- 地域やその土地の持ち主と共生する
2.サマリー
さがみこベリーガーデンは、都市部から近い自然豊かな山あいの農地にある、33種類・約1100本のブルーベリーが摘み取れる会員制農園です。農地の上に太陽光パネルを設置して、発電と農業を同時に行う「ソーラーシェアリング」は相模原市初の取り組みです。ブルーベリー農園は県内最大規模、自然とテクノロジーの調和を目指しています。今回の視察では、農園の視察と、農園の体験メニューであるジビエ革アクセサリー製作とスムージーつくりを体験し、代表の山川勇一郎さんとディスカッションを行いました。


異なる所有者の土地を活用しながらブルーベリーを溶液栽培養液栽培をしています。電気は国の固定価格買取制度で電力会社に20年間売電、災害時は地域に無償提供することで住民からも喜ばれています。タウンニュースに活動が取り上げられたことで、最近では地域の学校や社会福祉協議会も見学に来るようになりました。場所によってパネルを変えるなど実験をしながら、反射光の量や風の通り方の違いによるブルーベリーの生育を比較し調べています。農園をつくる際も会員に参加してもらいソーラーパネルの設置にも関わってもらいました。そうした経験が記憶に残った子どもが将来エネルギーに関心をもってくれたら、と山川さんはお話していました。

さがみこベリーガーデンの取り組みは、全国の土地活用が不便な地方の先進モデルといえます。太陽光発電や再生エネルギーを広めていく際には、単なる厄介者ではなく地域や日本にメリットがあると伝えられることが大切です。そのなかで、例えばさがみこベリーガーデンの地主さんが朝起きたとき山を見てほっとするという気持ちを無視しないようにするなど、地域に配慮することも欠かせません。また、農業は規制が厳しく、新しいことに挑戦しようとするとぶつかってしまうようなルールがたくさんあります。そうした規制を合法的に変える人がいなければ世の中は良くならない、と山川さんはお話していました。
新しい挑戦をすることで地方では良くも悪くも目立ってしまいますが、さがみこベリーガーデンは地域と共生しながら、今までのルールに挑戦しより良い農業とエネルギーを模索する姿が見られました。
3.感想
太陽光発電というと、大規模で景観を損なうイメージを持っていました。しかし、さがみこベリーガーデンの太陽光発電はむしろスタイリッシュでおしゃれなので驚きました。こういった再生可能エネルギーについて、自分の苦手分野だからとこれまでしっかりと関心をもつことがなかったのですが、ブルーベリーや楽しい体験を通して触れることで、構えることなく自然体で興味をもつことができました。また、地域で何か新しいことに取り組む時自分の想いだけでは難しいので、地域の人や環境を配慮することが重要である点はとても共感しました。
4.同世代に伝えたい点
- 人や地域の気持ちに寄り添うことが大切です
- 難しいことから始めるのではなく楽しいことから始めましょう
- 出る杭は打たれるけれど、そこで負けない!

【レポート執筆】
水口佑華さん/ 第2期若者アンバサダー
「ローカル」「グローバル」「アート」を軸とした活動の展開を目指しながら、地域おこし協力隊メンバーとして三重県明和町に従事中