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2024年8月20日 12:00

NTTドコモ・カボニューアンバサダー×若者アンバサダー 共創対話

2024年7月5日、NTTドコモ・カボニューアンバサダーさんが取り組む環境に配慮したアクションについてレクチャーいただいた後、DO! NUTSアンバサダーとの対話を行いました。
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「カーボンニュートラルがもっと身近に。お客さま、企業、社会みんなでいっしょに楽しくカーボンニュートラル達成を目指す構想」それがNTTドコモ様のカボニューの取組です。ドコモグループ内のメンバーから構成されるカボニューアンバサダーは、それぞれのやり方で環境課題解決につながることをみつけ・実行し・シェアし・社内外に浸透させていく活動を行っています。

消費行動改革を通じたゼロエミアクション・ムーブメントの拡大を実践している若者アンバサダーとカボニューアンバサダーが、①環境取り組みを周りに伝播していく中で直面する課題やその乗り越え方について、そして②NTTドコモの環境取組を、社会全体により知ってもらい、共感や賛同を生むためには?の2つのテーマについて対話する機会を得ることができました。

レクチャーレポート

1.ポイント

【はじめに】カボニューとは?
2021年9月、ドコモの「カーボンニュートラル宣言」とあわせて誕生。環境問題解決に貢献する活動や取組み全般をさし、カボニューを社内で推進する社員有志を「カボニューアンバサダー」と呼ぶ。

以下の3つの分野で活動しており、カボニューアンバサダーの活動を通して、事業と一体となった環境活動が生まれることを期待している。

①脱炭素
「2040年ネットゼロ」に向け、Scope1〜3まで含めた温室効果ガス排出量の実質ゼロ化の実現や、車両のEV化、ネットワークの消費電力の削減など。
②資源循環
使わなくなった携帯電話をドコモショップで回収し、レアメタルを再利用する取り組みや、”docomo Certified”というブランド名でリファービッシュ品の販売をしている。また、リサイクル素材を使った携帯電話リリースや、包装の脱プラ等も進めている。
③生物多様性保全
ICT技術の活用や、各地域での社員やお客さまとの活動を通じて、生態系の保全/回復に取組んでいる

【カボニューアンバサダーによる具体的な活動事例】
コンポスト体験会、ゴミ拾いアプリピリカと連携したSNS上ゴミ拾いピリカボ、職場や家庭で利用できるアクションシールの作成・配布など。

2.共創対話

①環境課題に関する取組をまわりにも伝播させていくにはどうすればよいか ~家族/友人/学校/コミュニティそれぞれの場面でのアイデアや体験談

DO! NUTSアンバサダー :自分が体現者になる

気候変動関連の仕事をしているので、食生活や買い物のときにまず自分の行動から変えるようにしている。また、次世代教育の一環として脱炭素のスタンプや歌を作ったり、環境配慮のアロマオイルを作ったりしていた。ヨーロッパでは、怒りのエネルギーで話題を作ろうとしているが、それは分断を生んでいると思う。いかに共感を増やしていくか、が大切だと思う。

DO! NUTSアンバサダー :異なるステークホルダーのコミュニケーション

産官学、異なる立場の人々がどのように連携していくか、が課題であると思う。現状では、目標としては同じ方向を向いているのに、協働できていないことが多い。

DO! NUTSアンバサダー :エシカル消費

まず無関心な人にどう一歩踏み出してもらうか、そしてどう継続してもらうかという2つの課題がある。カフェでエシカル消費を広める活動を行った際、親しい人からのおすすめなど、「人」を介して伝えると届きやすいことがあると感じた。また、自己効力感を数値化して伝えることも大切。コミュニティで盛り上げながら取り組んでいくことも有効なのではないか。

NTTドコモ :CO2削減量や環境貢献度(Reco)を可視化ついての取り組み

NTTドコモでは、「カボニューレコード」というサービスを提供している。

ドコモのグリーン5Gの利用や公共交通機関での移動などによるCO2の削減量を自動で可視化できる。Recoというスコアが一定数貯まると、利用者が報酬をもらえる仕組みもあり、環境に配慮した行動をとりやすいしくみが整っている。今後自治体等と連携して活用の幅を広げていく方針。

ドコモ・カボニューアンバサダー(小林さん)

個人の興味レベルや周りの環境によって、活動の継続度合いが異なる点を難しく感じている。カボニューアンバサダーの活動として行ったコンポストの企画では、都会に住む人はコンポストの継続が難しい一方で、家庭菜園を持っている人は継続できる、といった違いが見受けられた。

ドコモ・カボニューアンバサダー(余語さん)

ドコモのアンバサダー活動をいかに継続させるがこれからの課題にもなってくる。

ドコモ・カボニューアンバサダー(山来さん)

少しでも関心持っている人から働きかけることも有効だろう。Jリーグがアニメとコラボレーションしたことで、アニメファンがサッカーの応援に来た、という事例もあったので、異なる分野との連携も鍵になりそう。

ドコモ・カボニューアンバサダー(本田さん)

習慣化している日々の暮らしの中から、環境配慮の活動に引き込むきっかけをつくる必要がある。

②ドコモの環境取組を、社会全体にもっと知ってもらい、共感や賛同を生むにはどうすればよいか

【DO! NUTSアンバサダーから出た意見】

・あえてドコモの取り組みを前面に押し出すのではなく、「自分が好きな人の好きなものは好き」という理論を応用して、他の企業の環境に配慮した取組を伝える方法もあるのではないか。回り回って、人々がドコモの取り組みについても知るようになるかもしれない。

・グリーンウォッシュにも配慮すべき。

・日常生活で、急にCO2の削減効果の計測を始めることは難しそう。食事やホテル滞在時などまずは時間や空間を区切って、その時々の削減効果を伝えるようなしくみをつくる方が、インパクトを実感してもらいやすいのではないか。

・はじめから環境配慮を謳うのではなく、生活にどう役立つのか、普段困っていることの解決策としてどのような効果があるか、というところを積極的に伝える必要がありそう。

3.感想

行動変容によるCO2削減量を可視化する「カボニューレコード」をはじめ、全国に基地局を持ち、ネットワークで人々をつなげるNTTドコモだからこそ提供できる、環境に配慮した様々な取り組みが行われていることを学ぶことができました。また、アンバサダーが集う「プラットフォーム」という点でDO! NUTS TOKYOと通ずるものがあり、消費者行動変容にむけて果たしていきたい役割について共通する想いがあると感じました。「カボニューレコード」、ぜひ利用し、発信させていただきたいと思います。

【レポート執筆】
寒河江茜里さん/ 第3期若者アンバサダー

山形県出身。東京大学教養学部3年。環境問題と科学技術社会論について学んでいる。