魚、豆乳からプラントベースワッパーまで。
おいしい低炭素食品の今を知ろう。
産業革命以降増え続けるCO2によって上昇し続けているとされる地球の気温。この上昇値を1.5℃以下に抑えるべく、国を超えた世界的な連携が急務となっています。とはいえ、私たち一人ひとりは暮らしのなかでいったいどのように行動すればいい?そんな疑問を解きほぐし、行動につなげるために、「環境問題一年生」の編集部・井上が、まずは食生活のポイントからValue Frontier株式会社(DO!NUTS TOKYO事務局)の環境経営コンサルタントの梅原さんと大野さんにたずねました。今回は、「選ぶ」からはじまる、脱炭素型ライフスタイルvol.2の続きです。
――食べることは毎日欠かせないものなので、一人ひとりが少しずつ意識して選択し、行動していけば、その効果はとても大きな意味がありそうですね。
でも一方で、毎日の料理や買いもので世界の環境問題を考える、というのは、まだ少しハードルが高いと感じてしまいます……。気軽に低炭素な食を楽しむ方法って、ないのでしょうか。
大野:難しく考えなくても良いと思いますよ。まずは前回から出ているように、「野菜や果物、穀類とお肉などバランス良く食べることが大切」と覚えておくくらいでもいいんです。
私は、定番メニューでお肉の代わりに野菜や魚介類を使うレシピを増やして楽しんでいます。ビーフカレーを野菜やシーフードカレーにしたり、最近では「プラントベース」の代替肉も美味しい商品が出てきていますよね。若い世代を中心に「週に1日ミートフリーで過ごそう!」といったアクションもあります。みんなで楽しく取り組もうというこうした活動に、参加してみるのも良いかもしれません。一方で、お肉や乳製品を選ぶときに環境のことを考え、ていねいに育てられた産地のものを選ぶ、という視点も大切だと思います。
それから同様に、乳製品をたまに豆乳に置き換えてみるのはどうでしょう。
――「乳製品の代わりに豆乳」も、低炭素な選択になるんですね。コーヒースタンドの豆乳ラテなど、味が好きなうえヘルシーなイメージがあって、すでによく飲んでいます。
大野:たしかに、最近はカフェなどでも豆乳のドリンクメニューが増えましたよね。パンケーキなどのお菓子やクリームパスタ、シチューなども豆乳でつくってみるのもおすすめですよ。
――最近は豆乳以外にも、アーモンドミルクやライスミルクなど植物性のミルクもたくさん出てきていますよね。でも私もそうですが、選択を変えることで本当にCO2が減るのか消費者には分からないですよね。

大野:製品にカーボンフットプリントを表示する動きは、海外では少しずつ活発になってきています。
先程の肉食に関連する最近のホットなトピックといえば、アメリカで話題をさらっている「インポッシブルバーガー」でしょう。独自の技術で肉のテクスチャや味わいを叶えた植物性パテを開発した「インポッシブル・フーズ社」(外部リンク)では、同社製品である代替肉ハンバーガーの環境影響を研究しています。結果、牛肉にくらべて彼らのハンバーガーのCO2排出量は約90%も低いという研究結果が出たのです。この数値が100%正しいというわけではありませんが、消費者にも分かりやすい情報を出していくことは、とても大切だと思います。
■参考資料
Impossible Foods Inc. “Environmental Life Cycle Analysis: Impossible Burger 2.0”
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